ウォーキングを始めた記事にも書きましたが、歩き始めたきっかけにもなった息切れ、体力の低下を感じたことにはもう一つの原因がありました。
それが子宮腺筋症(しきゅうせんきんしょう)でした。
目次
婦人科受診のきっかけ、症状
50代になる頃から下記のような症状が出てきました。
息があがる
2階に上がるだけでも息が上がり、途中で休まないと上がれなくなっていたこと。貧血の悪化?
月経時の出血が多すぎる
夜用のロングナプキンが30分も持たず服を汚してしまうことや、仕事中30分おきにトイレに行かなければいけない状況が何度もあったこと。
生理痛が重い
あまりの痛みに身を捩る日も何度もあり、生理がとにかく嫌で憂鬱だったこと。

しんどそう、お医者様に相談した方が良いのでは?

更年期にはよくあることだと思って、しばらく我慢していたよ。。。
この症状が出る前はどうだったかというと・・・
- 妊娠時や健康診断で毎回ヘモグロビン値が低く貧血の診断→立ちくらみや息が上がるなどの症状は無い
- 月経時の出血量:若い時から多い方だったと思う(初日から多い日用や夜用を使用※他の方と比べられないので自分の感覚です)
- 生理痛:出産前有り→ 出産後軽くなる→ 40代後半から痛み強く痛み止め必須
という感じでした。
痛みの感じ方とかも個人差があるだろうし、出血量なんて他の人と比べられないため私自身ずっとあやふやなままここまできた感じはあります。
ある時痛みと止まらない出血で、会社で1時間トイレから出られなかった事がありようやく受診を決めました。このような症状が毎月続くことで生活の質が下がり、何より仕事に支障をきたしてしまい、精神的にも落ちてしまうことが増えたからです。
手術対応のクリニックへ受診
年齢的にも数年以内には閉経するとわかってはいるけど、この生理の不快感と憂鬱を改善したかったこと、万が一大きな疾患の可能性も考えて、手術対応可能なクリニックを受診しました。
担当医に当時の状況をお話しし、採血したあと超音波検査と内診。結果が出るまで待合室で待つ間はやっぱり不安でした。
しばらくして診察室に呼ばれ、血液検査の結果を見ました。

やっぱり貧血。
ヘモグロビン値がかなり下がっていたため、息が上がるのは貧血が原因でした。
また子宮が男性の握り拳より大きくなっていることがわかりました。(通常は鳥の卵ほどの大きさだそうです)
初見では内膜症のような印象で、がんなどの可能性も含めて腫瘍マーカーと細胞診検査も追加、後日行うMRI検査の結果を見て診断するとのことで初日は終了。
女性のドクターでしたが話しやすく、相談しやすい雰囲気は安心できました。
初めてのMRIと診断結果
通院2回目。
丈夫な体に産んでもらったおかげで大病することもなく半世紀を生きてMRIは初体験。狭いのも大きな音も全然大丈夫でしたが、動いちゃいけないという緊張感で固まる私、無事検査終了。
全ての検査結果が出て、先生から「子宮腺筋症です」と診断されたのですが初めて聞いた病名で頭の中が?な私。
先生曰く「子宮は筋肉でできているけど、その筋層内に何らかの理由で内膜が増殖して、子宮自体が硬く大きくなっていく状態」とのことでした。痛みも月経量が多いこともそれが原因とのこと。
撮ったMRI画像を見ましたが、確かに何らかの腫瘍やこぶのような病巣ではなく、子宮自体が黒っぽく大きく映っており、点々と小さな白い部分が黒い中のあちこちに写っていました。
治療方法の選択(私の場合)
診断がついたところで私は改めて、痛みや出血多量が続くのを止めたい、そのために必要であれば子宮の摘出手術も検討したいと伝えると、先生から提案されたのはホルモン療法でした。
ホルモン療法
リュープロレリンという注射で卵胞ホルモンの値を抑え一時的に閉経状態を作ることで、腺筋症が大きくなること(筋層内の内膜の増殖)を抑える。
ただし骨が脆くなる副作用があるため期間は6ヶ月限定。
治療後は月経再開するが、(私の)年齢的にそのまま閉経する可能性もある。
とのこと。
私はあの出血や痛みが止まるなら手術で子宮を摘出しても良いと思っていましたが、注射でも生理を止めることができるならそれも良いと思い、治療を開始することに決めました。
当時51歳、年齢的には閉経してもおかしくない年齢だし、治療後そのまま閉経したら体にメスを入れずに済みますね。
ホルモン治療開始
通院3回目。
診察後治療室に移動し横になって1回目のリュープロレリンを皮下注射。初回は月経の5日目までに注射するようです。場所はお臍の下の左側に打ちました。
以降4週間ごとに左右交互に計6回注射。最初の診察時に貧血治療のための鉄剤も開始したので服用も続けます。

ホルモン治療中
本当に生理が止まるのかと気になっていましたが実際は1回目の注射をして2週間後、少量の出血が3日ほど続きました。出血はありましたが痛みは全くなく安心して過ごせたし、鉄剤も引き続き毎日服用。
(ちなみに2021年当時の治療代は注射1回で6,600円、鉄剤4週間分で1,020円程度でした。)
2回目の注射以降、出血も痛みもなく約半年の間生理は来ず不快な症状や副作用もありませんでした。骨量の低下については、特に検査をしていないため不明。
また貧血も順調に改善していったので週1回のウォーキングも継続でき、治療終了する頃には7Kgの減量にも成功しました。
ただ1点だけ、気づいたことがあったのですがそれは手足に3cmほどの黄色いあざが出現したこと。上腕、前腕、脚と場所を変えて出ては消えを繰り返していました。
副作用かと気になり診察の時に先生に話したのですが、注射の影響ではないでしょうとのこと。不安は残りましたがあまり気にせずに、出血と痛みのない、さらに運動も出来る快適な半年を過ごせました。
ホルモン治療終了後
最後、6回目の注射が終わり、翌月までは生理はきません。その後はどうなったかというと・・・
見事に出血し生理再開。早かった(涙)
また始まったけれど、半年の治療で子宮は小さくなっているはずだし、症状が軽くなればという期待もあり、しばらく様子を見ることにしました。
治療後1年目
経血量も少ない月もあれば、治療前と同様に出血多量で激痛だったりで症状は都度変わります。それでも生理のくる間隔が少しづつ長くなり、約2ヶ月の周期で合計6回の生理がありました。
間隔が開き始めたこと、量も痛みも軽い月が出てきたこともあり、手術はせず自然に閉経するのを待つことに。
治療後2年目
治療後2年目も出血量や痛みは前年と同じくその時々で差があるが、周期がさらに伸びて3か月〜4か月開くこともありだいぶ楽に。いよいよ閉経が近いことを感じる。
そして治療中から現れた黄色いあざは、この年には出なくなりました。
治療後3年目
そして2024年現在、最後の月経から11か月経過したのでほぼ閉経かなと思います。
出血と痛みから解放された現在、ストレスの大きな原因が1つ減って快適に過ごせています。
これまで息子3人に恵まれ、育てることが出来た私の子宮にお疲れ様と感謝の気持ちは最後まで変わることはありません。

加齢とともに老いていく体は大事な私自身。
人生最後の日まで出来るだけ健康に心穏やかに過ごして生きたいものです。
最後に
生理が重い(月経過多・痛みが強い)方へ
私の場合は50歳頃に症状が出ましたが、子宮腺筋症は年齢はあまり関係ないようで10代から50代まで幅広い年代の患者がいるようです。
普段から生理が重いとか、息切れなど貧血の症状があったり、痛みが強い、とにかくしんどい・・・
憂鬱になるほど精神的にも影響が大きい生理のこと。特に人と比べることが出来ない分、我慢してしまう方も多いのではと思います。
気になる症状があればどうか我慢せず、病院に行くことをおすすめします。自分のことは後回しにしがちな人は特に、無理せず自分の体のケアを1番に考えて良いのではと思います。
心配の種を少しでも減らして、毎日を気分良く過ごしたいですものね。
このような性に関わる個人的な内容を公開することは迷いましたが、もしかしたら同じような状況の人に届くかもしれないという思いもあり記事にしました。参考になるかは分かりませんが、私の体験談です。
誰かの何かのきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。